新・ムラ論TOKYO

新・ムラ論TOKYO (集英社新書)

新・ムラ論TOKYO (集英社新書)

読。
再開発をテーマにしてた前作とは違って、今回のテーマは「ムラ」、冒頭にはこうある。


 「ムラ」とは。人が安心して生活していける共同体のありかであり、
 また、多様な生き方と選択肢のよりどころである。
 私たちは今、都市の中にこと、「ムラ」を求める。

下北沢、高円寺、秋葉原、小布施、4つの街を題材に冒頭で定義された「ムラ」である理由・要因が多角的に、対話形式で示される。
文中であげられる要因が多様であることに注目出来る。電車というインフラや、文化的蓄積、キーパーソンの役割とか。要因は多様であり、だからこそ都市に「ムラ」を見いだすことが出来る。そういったメッセージを感じることが出来る。
一方で、秋葉原クロスフィールドに向けた批判にみられるように建築を代表として的外れの環境をつくることは「ムラ」である要因を台無しにする可能性があるということ。
当たり前のことなんだけど、都市それぞれには差異があることをわすれてはいけないと思う。その差異が「ムラ」と成り得るきっかけを担っているのかもしれない。