東京、横浜ー2

stmd2008-12-24



多摩美術大学の図書館へ。


複雑かなと予想していた、アーチが重なる空間は想像より単純であった。
アーチというよりも、床に近づくにつれ細くなる柱が連なる空間のような感じは、
「ここに居てもいいんだ」と思わせてくれる。
それは街で座れる場所を見つけたときと同じ感覚なのかもしれない。


柱と家具が連動して、場所を与えていく、
そこには充実した本があって。思わず時を過ごしてしまい、
アンドレアス・グルスキーの写真集を読みふけった。


横須賀美術館へ。
敷地の条件がいい。いいというのは自然に、山に、海に囲まれているということ。
しかし、この場所であることの利点が活用されていないように感じた。
背後の観音崎公園とは、ただ「歩ける」という繋がりしかなく、サインもなければ、そこでイベントが起こる可能性も無い。
建築が閉じている。周りを散歩している「こんにちは」と言ってくれる人たちを見ても、
その人たちがこの建築を避けるように歩いているように見えれば、そう感じてしまう。


塩害、所蔵物の管理。建築にはさまざまな制約が課せられる。
ひとつの視点で見ることはできない。


「見るともなく全体を見る。それが見るということ」