奈義町立現代美術館・町立図書館


設計:磯崎新アトリエ
この建物は色々あったんだろうなぁ。と思うけれど、建築空間の話から。
と言っても美術館にはアーティストの作品と一体になった空間が3つある。
それを建築空間と呼ぶかどうかは別として、建築家だけで作ったのはその間の空間と外観のみ。外観は色違いのスパンドレルが用いられていて、それぞれの空間の差異が強調される。芸術と一体となった空間が3つとも面白い。それが刺激が意図された空間ということはもちろん承知の上。


岡山県の北東の山間部に作品一体の美術館。建設時には色々あったんだろうなぁ。



図書館が好きだった。真ん中が大きく明り取りになっていて、四周には天井まで書架が並び、チェッカープレートの無骨な2階部分がぐるっと回っている。図式はわかりやすい。
空間の明暗とか、居場所の作り方とか、色々考えてしまうけれど、清々しかったのは、好んで使われていることが伝わってくること。休みの日にはたくさんの人が来ているんじゃないかなぁと目に浮かぶような気がしました。(実態は知らないけれど)


美術館と図書館。町民にとっての位置づけが全然違うんじゃないかなぁという気がしました。だからどうだってのはすごい難しい。ここにある美術館のような特殊な空間があることが悪いとは思わない。場所が適切かどうかもわからない。
自分の住んでいる町には何だか変な場所がある。それによって観光が大成功しなくても、何かそれをちょっとでもポジティブに考えられるんならいいと思うんだけどな。