コミュニティ デザイン

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる

これまで読んで来た本の中でもとりわけ、読み終わった後の気持ちがもやもやするというか。はっきりしない感じがする。
それはなぜか。山崎氏の活動が、ある意味誰でも出来そうに思えてしまうからか、(さらにその活動が素晴しいと思うからこそ)自分は何をやっているのだろう。と思えてしまうからだろうか。
しかし、氏の活動は容易なものではないはずだ。たくさんの困難とぶつかっているだろうと、解らないながらにも想像する。本の中に挿入された写真にはほとんど氏の姿は写っておらず、文中にも協力者や所員、学生の頑張りがごく自然に嫌みなく語られる。その雰囲気がまさに共有、恊働であると感じた。
この共有、恊働が本のテーマのように感じた。あらゆる地域が抱える問題を読み解き、わかりやすくし、住民と共有する。それによって恊働することが可能となり、それが地域の自力へと結びついている。この本をそのまま受け止めれば、そう受け止められる。もちろん、そのためにたくさんハードルを乗り越えているだろう。
地域の問題を理解し、解決する。そのプロセスはまさにデザインである。
と思っていいのだろうか。絶対的に言葉に意味を求めるわけでなないけれど、とても先に光が見えている気がするけれど、それが本当に光なのかどうかわからない(自分の感覚が)。その理由は氏の活動を自分の中で理解しきれていない証拠なのだろう。