一区切りついての雑感


修士論文の学内発表が終わった。書類の方は、論文の本文がまだ完成していないし、まだまだやるべきことは残っているので、単なる一区切りでしかないのだけど。
論文を通して身につけたこととはなんだろうか。4月頃に研究テーマを決めたときに思ったことは、教育への興味であった。むしろ、今まで自分の中にわいて来なかったことに不思議な感じさえした。それだけ自分の周りに教育に関係する者が多い、両親は教育者だし、親族にも多い。友人にも教師が結構いる。妹は教師を目指している。あれ、俺って教育家庭じゃん。と中学の時に、教師である親に反発して教師を親に持つものらしからぬふるまいばかりだったことを思いだした。
周りでは都市計画的なことをやっている奴が多くて、一つのビルディングタイプを研究することが扱う範囲の狭さに不安になったこともあった。しかし、現場に通い運営者である教員のみなさんと、利用者である児童生徒たちの様子を見て、現場に行くことの魅力をとても感じたことも覚えている。
研究が進み、論点が具体的になってくるにつれて、卒論の当初にやりたいなと思っていた環境心理的な観点を盛り込めることが見えて来たことで気持ちが入って行った。
論文で学んだことはなんだろうか。計画の研究は実際の設計に応用されないとあまり意味がない(特に施設計画は)と思ってきたし、今も思っている。建築計画の分野はどうしてもプログラム有意、使い方有意に傾倒しすぎてしまうという部分が多分にあるのではないかと思ってきたけれど、僕は空間・場所について論じようと思って来た。
この論文に他にはない、観点や切り口があるのかといわれると、すぐに首をたてに振ることはできないが、自分の足で稼いできたデータがあるし、小中一貫教育校の現場を見ている数も建築学生としてはけっこう多い方なんじゃないかと思っている。
研究をしている間は論文の社会的価値を問うてきたけれど、そこで吸収したことは自分自身のアイデアに役に立つはず、小中一貫教育校を設計させればけっこういい線いけると思うんだが。