大阪府立狭山池博物館


展示空間へ向かう動線。自然と建築の関わり方は安藤建築で体験できる醍醐味。
過去の遺産を展示する空間の大半は地下にある。
地層や土留め遺産によって人造ダムのような狭山池を作る技術を見ることができる。
その遺産があるところにポンと建築を乗せた、いや建築が地上から生えてきたような構成。
水と音を感じ、円の静寂の空間に入り、暗い展示空間に入っていく、
場面が変わる度にテンションがコントロールされる。
一筆書きの動線によって、出口と入り口が違うことも周囲の自然を感じさせる。


狭山池。人造ダムのようなこの池のことを知らなかった。
行基、重源も関わっていたのか。僧は宗教的な立場とともに技術主導者としての信頼があったのだろう。
だからこそ、東大寺が作れた。
この池を灌漑の拠点として改修していく歴史には、僧→官→民という歴史があるようだ。
それは、この池が周囲の人に必要とされているから。そして今池の周囲を人々が散歩したりジョギングしたりしている。
和歌山で、灌漑のためのため池の維持・管理の問題が起きていることをニュースで見たことを思いだした。