蓮華王院

雨が降ったりやんだりする中京都を歩く、蓮華王院へ。関西で建築を学び始めてから6年目で初めていくとは恥ずかしいことだが、行ってよかった。
バスを降りてすぐに雨宿りすることになったのだが、蓮華王院を離れて眺められたのでよかった。周囲には無い屋根のスカイラインの長さは印象深かった。
外を眺める前にまず中に入る。圧倒的多数の千手観音像が置かれた壇を33間もの柱間というとても長い廊下でつながっているという構成で、廊下と外部との境界である障子からの光がとても印象的であった。一つ一つからは柔らかくて、美しい光が入ってきて、それが長い空間で繋がることで柔らかなグラデーションがうまれる。廊下部分よりも壇の部分の天井高が高いために廊下に入ってきた光が壇の部分にぼやっと広がる。歩いていても足を止めても、新しい視覚刺激が入ってくるようなそんな印象の空間であった。障子部分の梁が曲面の仕上がりになっていて細かい配慮を感じた。外部空間は細長い平面のためにそんなに高さが目立たず凛としていた。奥行きがあるため高さからくる大きいなという印象ではなく違う大きいなという感じがして、これを見て吉川英治宮本武蔵と吉岡の決闘を描いたのか。と思っていた。背筋がピンとする空間を体験できた。