白の家

建物探訪。今回は移築された白の家である。「住宅論」の中で「住宅は芸術である」とした篠原一男氏の一連の住宅作品は住宅建築の歴史において重要な位置を占める。その中でも代表的な作品が白の家である。
フォトジェニックでストイックな空間。短い言葉で自分が持っていた印象を綴るとするとそうなる。しかし、テレビに映るその空間は人間的で生活の様子がありありとしていた。住み手のセンスが光る家具や置物は空間に生活の気持ちよさを生んでいた。シンプルな構成と細かなところへの配慮が相まって、場所に豊かさをうんでいるように感じた。この空間の価値を認め、そのまま残したクライアントに使ってもらっているあの建築は幸せなのだろうなと思う。