「夢をかけて走る」

安藤忠雄さんの大阪大学でのレクチャー。
「絶望的」「終わっている」という言葉を繰り返しながら、大阪がやっていかなければならないこと。日本人の一人一人がやっていかないといけないことを語る。安藤氏が抱いているモヤモヤをぶつけれられている気分がした。やはり刺激的。様々な困難を乗り越えてきた氏であるからこそ、現代の親と子のあり方、個人のあり方に対して不満に思っていることが多いのだろう。一人一人がもっと自立して境界を越えていけば、大阪は日本は世界は変えられるはずだと。
今の日本にはチャンスが無いから希望がないと発言していた。それは目指すものがないとも言える気がする、「目標とするもの、モデルとなるものがない」と友人と話していたことを思い出した。「目標を持て」ということは様々な人が語りかけている。では、どのような目標を達成していけばいいのかということについては人それぞれ語ることが違う。明確に方法論を示す人もいれば(建築の世界でも)、まず何かを目指す気持ちを持て、と気持ちの面を語る人もいる。目標には時間的な距離はさまざまあるが、「今の時代は90歳まで生きる」という安藤氏は「夢をかけて走ろ」と言っていたのであろう。
「緊張感を持て」という安藤氏の言葉には様々な危機を乗り越えてきた氏が、今危機を感じろ。と訴ているようにも思えた。「我々の世代が次の世代に伝えていかなければならない」と語る氏の言葉には氏がバリバリにやっていた頃のエネルギーをもって一人一人がしっかりと生きろといっているように思えた。