発想法

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))


研究やグループ討議などでよく登場するKJ法を生み出すにいたった思想に触れる。
野外科学と名付け、現場の複雑な状況をありのままに捉え分析することの重要性を主張している。そのために問題に関係ありそうなことはすべて集め、それを体系的に整理し、問題提起する方法としてKJ法の有用性を述べる。始めはつながりの無い数々の事項を徐々に整理するということはあらゆる場面につながる。何かを考えるとき、会話するとき、設計をするときもそう。それを方法論として構築している。ひとつの方法論を展開させることはプロセスを明解にするためコミュニケーションが容易になる。(自分とのコミュニケーションも含めて)
むすびの言葉が印象的であった。(以下引用)
「この発想法は分析の方法に特色があるのではなく、総合の方法である。はなればなれのものを統合して、新しい意味を作りだして行く方法論である。分析的な方法だけでは我々の世界は不十分である。その意味で、国際的にも国内的にも、人間が、あるいは民族や国民が、はなればなれになってゆくような状況に対して、逆にそれを統合してゆく方法としてとりあげることができるのである。」
これは1967年が初版の本である。